買戻特約の抹消登記について
- 相続登記をしていると、「買戻特約」という権利がついた不動産
をみかけることがあります。
買戻特約とは、不動産の売主が売買代金と契約費用を買主に支払
うことで売却した不動産を買い戻せる、という制度です。
この買戻特約は民法という法律で定められていて、買戻しの期間
は10年を超えることができず、10年より長く定めた時は10年
に短縮されます。また、買い戻しの期間を定めた時は、後日この期
間を伸長することはできないし、期間を定めなかった時は、5年以
内に買戻すことが必要です。(民法580条)
以前は、この買戻特約の抹消登記は売主と買主が共同して申請し
なければなりませんでした。しかし、令和3年の改正で不動産登記
法第69条の2という規定が追加され、売買契約の日から10年を
経過した時は買主は単独で買戻特約の登記の抹消を申請できること
となりました。
買主の単独申請での買戻特約の抹消登記の申請がされ、登記が完了
したときは登記官は買戻特約の名義人に登記が完了した旨を通知しな
ければなりません。
この改正に係る不動産登記法69条の2の規定は、令和5年4月1
日以後に申請される登記について適用されます。
これは、買戻特約の法律上の期間は10年とされていて伸長もで
できないので、10年を超えている買戻特約は消滅している。にも
かかわらず抹消することなく放置されている登記に対して、手間と
コストをかけることなく抹消登記ができるようにしよう、という趣
旨での改正です。
今回は、久しぶりに「買戻特約」の登記を見たので、私の備忘録
を兼ねて整理してみました。
2025年11月19日 11:16
